
冬場に使う庭木の無公害殺虫剤として、先般より紹介してきた石灰硫黄合剤と並び、古くから愛されてきているのが、マシン油です。変な名前の薬なのですが、ミシンや自転車に使うような機械油に界面活性剤を入れ乳化させたもの。有毒物質で直接に虫を殺すのではなく、虫やその卵を、油でギトギトにして呼吸を止め窒息させて殺虫する、というもので、原理的に耐性がつかず、また毒性がなく生分解するので、環境への負荷が少ないのが特徴。石灰硫黄合剤との混用は不可で、使いたい場合は先に石灰硫黄合剤を使い、しばらくしてからマシン油を使うのが鉄則。先にマシン油を使うと水をはじくようになるからです。

あまやんが、金閣寺にあるような、伝説の「南天の床柱」を育てる目的で栽培している、南天の実についている越冬中の巨大カイガラムシをマシン油で攻撃してみます。一センチ近い白いカイガラムシ。今回は50倍くらいの高濃度で使用。先日これには石灰硫黄合剤をかけたのですが、あんまり効果がなかった様子。カイガラムシはロウでできていて水をはじき、非常に手強いのですが、油性のマシン油はこういうものに効果が高いです。撒いたらそのへんが油っぽくなるので注意。葉もの野菜類には油がつくので使えません。